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2020年9月4日 更新
平成28年度当初予算町長施政方針
平成28年第1回定例会(3月議会)において示された、「平成28年度予算 町長施政方針」をお伝えします。

 
≪重点的に取り組むべき課題について≫
 
 それでは、まず、平成28年度、特に重点的に取り組むべき施策の一端をご説明申し上げます。
 
 まず、第1に「健康長寿のまちづくり」であります。
 現在、我が国ではかつてない高齢化が急速に進んでおり、本町も、もちろん例外ではありません。こうした中にあって、何歳になっても健康で、そして元気に暮らしたいという思いは、人間誰しもが抱く切実な願いであります。こうしたことから、町を挙げて健康長寿の取組を積極的に推進してまいります。
 議員ご承知のとおり、健康長寿の取組としては、早稲田大学と連携した「スモールチェンジ活動」を全町に広げて展開しております。健康長寿を進めるためには、まずは町民の皆様に健康に対する意識を高めていただくことが不可欠であり、今後も引き続き、より多くの方に楽しみながら健康づくりに取り組んでいただけるよう「ときがわストレッチ体操」を推進するとともに、平成28年度から新たに「歩いて健康づくり」と題しましてウォーキングと体力測定、運動教室、筋力トレーニングや女子栄養大学との連携による「食による健康づくり」を組み合わせた「健康長寿ときがわモデル事業」に取り組んでまいります。
 
 第2に「ときがわ版総合戦略」の推進であります。
 日本全体で少子化が進む中にあって、定住化を促進し、若い世代を町内に取り込んでいくことは喫緊の課題であります。そこで、保育サービスの充実や幼児に適した総合的な屋外遊具を整備した「子育て支援センター」を親しみと安心感を持って利用していただけるように努め、親子の居場所や相談などの場として利用促進を図り、活力あるまちづくりに繋げてまいります。
 また、ときがわ町には豊かな自然と長い歴史に育まれた伝統文化が息づいています。小倉城跡などの自然や歴史を活かした観光資源の開発などに取り組むことにより、観光入込客数130万人を目指してまいります。
 また、町内の小規模事業者の振興や内装木質化による「ときがわ産材」の利用拡大など地域経済の活性化に取り組むとともに企業誘致も積極的に進めてまいります。
 
 第3に「計画的な行政運営」であります。
 ときがわ町は合併して10年の節目を迎えました。これまでは地方交付税の合併算定替えなどの国の財政支援がありましたが、平成28年度からは5年間かけて合併算定替えが段階的に減少してまいります。これにより、一般財源である地方交付税が相当程度減少することとなり、人件費、物件費、補助費等の経常的な経費の削減が避けられない状況にあります。
 このため、町では「ときがわ町財政運営計画」を策定し、改革の方向性を取りまとめたところであります。今後も、この計画を「持続可能な財政運営に向けての指針」とし、行財政改革をさらに推進してまいります。
 
 以上、今後、重点的に取り組む施策の一端を申し上げましたが、これ以外の事業につきましても「第1次ときがわ町総合振興計画(後期基本計画)」に基づき着実に進めてまいります。
 
《地方財政計画について》
 
 次に、国の平成28年度地方財政計画について申し上げます。
 まず、歳入面では、地方交付税の総額が出口ベースで
 16兆7千億円確保され、臨時財政対策債を加えた実質的な地方交付税が20兆5千億円となったことから、地方の一般財源の総額は、平成27年度の水準を上回る61兆7千億円が確保されることとなりました。
 また、歳出面では、地方の税収が回復してきたことからリーマンショック前後から特別措置されてきた歳出特別枠の平常モードへの切り替えが進められ、4千億円の減額となりましたが、その減額分を重点課題対応分などに振替えることで、実質的に前年度水準が確保されたところであります。
 更に、平成27年度に創設された「まち・ひと・しごと創生事業費」については、平成28年度においても引き続き1兆円が確保されており、地方の財政運営に対して一定の配慮がなされたものと理解しています。
 なお、地方財政計画の中で、特に本町に関わるものとして、合併市町村の交付税算定の見直しが挙げられます。これは、平成の大合併で合併した市町村の多くが防災上の理由で支所を置いていることから、こうした経費を改めて交付税に加算しようとするものであります。
 先ほども申し上げましたとおり、ときがわ町では、平成28年度から普通交付税の額が段階的に減額されてまいりますが、この見直しによりその減少幅が一定程度緩和されることとなりますので、今後の国の動向を注視し、財政運営を行ってまいります。
 
《予算編成に当たっての基本的な考え方について》
 
 続きまして、平成28年度の予算編成に当たっての基本的な考え方につきまして、ご説明を申し上げます。
 平成28年度のときがわ町の予算編成につきましては、平成27年10月9日に予算編成方針を各課に通知し、総合振興計画を念頭に置きながら、町政の諸課題に対応する予算編成を行ったところであります。
 まず、総括的事項といたしまして、既存の事務事業については徹底した「事業見直し」を行うとともに、単に新規・増額の要求を行うのではなく、施策体系内での事業調整を行うことといたしました。
また、経常経費につきましても費用対効果などの観点から、全職員がコスト意識を持ち、最少の経費で最大の効果を上げることを旨として積算したところであります。
 その結果、平成28年度当初予算につきましては、一般会計が52億4千776万2千円で、平成27年度当初予算と比較しますと、額で7千14万円、率にして1.4%の増額となりました。
 主な増額の要因は、大野地区集会施設新築工事の実施設計費及びその敷地となる旧大椚第一小学校校舎解体工事費を予算化したことや将来の財政負担の軽減を図るための繰り上げ償還による公債費の増加によるものであります。
 これに、5つの特別会計を加えた6会計の総額では、84億1千281万7千円となり、平成27年度当初予算と比較しますと、額で5千681万5千円、率にして0.7%の増額となりました。
 また、水道事業会計につきましては、予算規模が4億6千764万8千円で、平成27年度当初予算と比較しますと、額で5千154万円、率にして9.9%の減額となりました。
 
《一般会計歳入予算》
 
 続きまして、一般会計の歳入予算の概要について、ご説明を申し上げます。
 町税につきましては、個人町民税や法人町民税の減少により、全体では13億630万9千円となり、額で3千51万6千円、率にして2.3%の減額となりました。
 次に、地方交付税につきましては、合併算定替えの減少による減額が見込まれますが、それ以上に公債費の需要額の増加や前年度の交付実績から、前年度と比較して4千万円の増額で、19億1千万円となりました。
 繰入金につきましては、減債基金から2億3千558万円を繰り入れ繰り上げ償還の財源に充てるとともに、財政調整基金等から756万1千円を繰り入れ、財源の確保を図ったところであります。
 次に、町債につきましては、元利償還金の100%が地方交付税で補てんされる臨時財政対策債を地方財政計画や前年度の実績を踏まえ2億3千万円とし、合併特例債を生活道路の改修工事等の各種の事業に充てるため2億6千670万円とし、緊急防災事業債を衛星系防災行政無線施設再整備事業負担金に充てるため1千110万円としたことから、起債総額は5億780万円となりました。
 この結果、平成28年度末の町債の残高見込みは約80億円となりますが、このうち約66億円は国が地方交付税として負担することとなっているため、実質的な町の負担は約14億円となる見込みであります。
 なお、一般会計の平成28年度末の基金総額の見込は、約20億7千万円となります
今後も引き続き必要な事業については果敢に取り組むとともに、次世代に残すべき資産と負担のバランスを取りながら財政運営を行ってまいります。
 
《一般会計歳出予算》
 
 次に、一般会計の歳出予算の概要につきまして、ときがわ町総合振興計画の「やさしい暮らし」「やさしい笑顔」「やさしい心」「やさしい営み」「やさしいまち」の5つの基本政策に沿って、ご説明申し上げます。
 
 はじめに「やさしい暮らし」に沿った事業について申し上げます。
 
 ①美しい自然と共生する生活基盤を整える事業ですが、
 第一に、まちづくりを進める上での基礎となる地籍を明確にするため、引き続き国土調査法に基づく地籍調査を別所地区に引き続き、大附地区で実施してまいります。
 第二に、住民生活の利便性、安全性向上の観点から、道路新設改良工事2路線をはじめ、町内各路線の舗装修繕工事等を進めるとともに、道路反射鏡、ガードレール及び路面表示等の交通安全施設につきましても充実を図ってまいります。また、橋梁につきましても、平成25年度に策定しました「橋梁長寿命化修繕計画」に基づき、既存橋梁の維持修繕工事を計画的に推進してまいります。
 第三に、一級河川都幾川と、その支流の水質浄化を図るため浄化槽の設置を引き続き推進し、生活環境の向上を図ってまいります。また、良好な自然環境を維持するため、河川等の水質検査やゴルフ場排水の残留農薬分析調査等を引き続き実施してまいります。
 第四に、定住化の促進のためには雇用の創出はもとより、住居の確保が重要であると考えています。そこで、空き家バンク制度の運用を通じて、住む場所を確保するとともに、ときがわ産材を活用した空き家の改修工事に補助を行うことにより、町外からの転入を支援してまいります。また、病院・駅・役場等の主要施設への利便性を向上させるため、バスを中心とした交通体系の充実に引き続き取り組んでまいります。
 
 次に、②安全・安心で快適な暮らしを支える環境を整える事業ですが、
 第一に、放射性物質の検査につきましては、各小中学校や保育園の給食の検査を実施するとともに、農産物についても引き続き検査してまいります。
 第二に、安心・安全な飲料水を安定的に供給するため、石綿セメント管を計画的に更新するとともに、高料金対策として水道事業に対する一般会計からの支援を引き続き行ってまいります。
 第三に、安心・安全な地域づくりの取組みといたしまして、町民参加による見守り活動「ウォーキング・パトロール」をお願いするとともに、生活安全サポーターによる「青色防犯パトロール」を実施し、日常生活の不安解消に取り組んでまいります。
 また、災害時の対応として、改定した地域防災計画に基づき集会所の耐震化を順次進め、避難所の整備を行ってまいります。平成28年度は大野地区集会施設新築工事の実施設計に着手するとともに一ト市コミュニティセンター改築工事を実施してまいります。
 更に地震や土砂災害ハザードマップを活用し、地震等の災害に備えるとともに、自主防災組織への支援を引き続き行い、地域の防災体制の強化を図ってまいります。
 
 次に、「やさしい笑顔」に沿った事業であります。
 
 まず、③笑顔に満ちた、健やかな暮らしを支える事業ですが、
 第一に、健康長寿のまちづくりを実現するためには、各種検診の受診率を向上させるとともに、保健指導を徹底していくことが不可欠であります。そこで、平成28年度も特定健診等の実施期間を延長するなど検診事業の充実を図ってまいります。
なお、町の医療保険の中核である国民健康保険につきましては、医療の確保と被保険者の負担軽減を図る観点から、国民健康保険特別会計に対し、引き続き一般会計からの支援を行ってまいります。
 第二に、町の高齢化率は年々上昇し、高齢者の介護予防を推進する必要があることから、地域包括支援センターの予防事業や包括的支援事業の充実を図るとともに、「ときがわ町高齢者福祉計画・第6期介護保険事業計画」に基づき介護保険事業を推進し、制度の適正な運営に努めてまいります。
 
 次に、④心やすらぐ、温かい福祉社会を創る事業ですが、
 第一に、子育て期間中の世帯の経済的な負担を軽減する観点から、子ども医療費の中学校3年生までの無料化を引き続き実施してまいります。
また、少子化対策の一つとして実施している不妊治療費の助成事業につきましても引き続き補助を行い、子どもを望んでいる夫婦の負担軽減を図ってまいります。
 さらに、ファミリーサポート事業につきましても、朝5時から夜10時までの対応とすることで子育て世帯の支援を行ってまいります。
 第二に、障害者及び障害児がその有する能力や適性に応じて、自立した日常生活や社会生活を営むことに必要なサービスを提供するため、日常生活用具の給付や移動支援などの給付事業を引き続き実施してまいります。
 第三に、介護保険を補完するサービスとして高齢者世帯を対象に、紙おむつの給付や配食サービス等の在宅介護支援事業を引き続き実施してまいります。
 
 次に「やさしい心」に沿った事業であります
 
 まず、⑤未来を築く、心豊かな子どもを育む事業ですが、
 第一に、きめ細かな学習指導を行うため、小学校全学年で35人学級、中学校全学年で38人学級を実現するため、町単独で教員を配置し、少人数学級を推進してまいります。
 第二に、地域の人材を活用した学習ボランティアを養成し、土曜日の学習事業を実施し、児童の基礎的・基本的な学力の向上を図るとともに、学習意欲の動機づけとして小学校での漢字検定と中学校での英語検定を新たに実施いたします。
 
 次に、⑥生涯を通じた学びと伝統の継承の上に、新たな地域文化を築く事業ですが、
 第一に、生涯を通じて自ら学び、自ら考えるという観点から、町民の皆様のニーズを的確にとらえ、必要な情報提供を行うことができるよう「生涯学習推進計画」に基づき各種事業に取り組んでまいります。
 第二に、町民が身近な場所で文化芸術の鑑賞ができるよう、個人や文化団体の活動や成果を発表する場である「町民音楽祭」を引き続き実施してまいります。
 第三に、体育協会、スポーツ推進委員、スポーツ協力員の皆様のご協力をいただき、引き続き各種大会やスポーツ教室等を実施してまいります。
 
 次に、⑦誰もが参加できる地域コミュニティを創る事業ですが、
 第一に、地域づくりの活動拠点として重要な地域集会施設は35施設あり、すべて地域で管理運営をお願いしていることから、引き続き地域活動のための支援事業を行ってまいります。
 第二に、高齢者や子どもに対する虐待などが社会問題となっていることから、人権問題を住民一人ひとりが自分自身の問題として捉え、お互いの人権を尊重しながら、いたわり、支え合う、まちづくりを推進するため、様々な人権教育・啓発活動に取り組んでいくとともに、人権相談等の充実に努めてまいります。
 
 次に「やさしい営み」に沿った事業であります。
 
 まず、⑧自然の恵みを生かした活力ある産業を育てる事業ですが、
 第一に、農道や林道の舗装工事など基盤整備を引き続き実施するとともに、ときがわブランドを醸成するため特産品づくりに引き続き取り組んでまいります。
 また、有害鳥獣による作物被害の増加が問題となっていることから、営農意欲を高めるためにも、捕獲作業を通年で実施してまいります。
 第二に、町内の小規模事業者の振興や町産材の利用拡大による地域経済の活性化などを目的に、引き続きときがわ産材を活用した住宅リフォームや既存建築物の耐震化への助成を実施してまいります。
 第三に、勤労者対策につきましては、森林資源の有効活用を図るため林業従事者を育成するとともに、自然資源、観光資源を活用しながら起業する意欲のある者を支援することで、雇用の創出等に取り組んでまいります。
 第四に、食の安全性の問題や振込め詐欺の被害の拡大など、消費者に関わる問題はますます増加しています。
そこで、町民の皆様が安全に安心して暮らせる地域社会づくりを目指し、地域や関係者との連携を深めながら悪徳商法を排除するとともに、家族相談支援センターを中心とした消費相談などの窓口を充実させ、自立した消費者の育成に取組んでまいります。
 
 次に、⑨多くの人が集い交流する魅力的な観光産業を興す事業ですが、
 既に多数来町しているサイクリストをさらに誘致し、町の活性化に結びつけるための各種施策に取り組むとともに、自転車利用者の交通安全対策にも取り組んでまいります。
 また、観光協会の果たす役割は非常に重要であることから、観光協会への委託事業を通じて、自立に向けた取組の支援を行ってまいります。
 さらに、観光入込客数130万人を目指し、ときがわまつり、花菖蒲まつり、納涼まつり、さと山まつり等のイベントに引き続き取り組むとともに、マスコットキャラクターを活用したPR活動にも取り組んでまいります。
 
 次に「やさしいまち」に沿った事業であります。
 
 まず、⑩自主的・自立的な行財政運営を進める事業ですが、
効率的な行財政運営を図るという観点から、引き続き「事務事業の見直し」を実施するとともに、事業別予算編成方式を活用し、事業実施に係る費用及び効果を明確にし、健全な行財政運営を目指してまいります。
 
 次に、⑪町民との協働によるまちづくりのしくみを創る事業ですが、
 ときがわ町では、従来から区長さんをはじめ、多くの町民の方にご参加をいただきながら、様々な事業を進めてまいりました。
 引き続き町政の執行に町民の方々が参加できる機会を確保し、協働によるまちづくりを推進してまいります。
 
《特別会計予算》
 
 最後に、特別会計予算について申し上げます。
 
 まず、国民健康保険特別会計ですが、国民健康保険は、医療保険制度の中核として、地域住民の医療の確保と保健の向上に重要な役割を果してまいりましたが、医療費が年々増加する中で、国保財政は大変厳しい状況に置かれています。
そこで、平成25年度に策定した国民健康保険事業財政健全化計画のもと、特定健診受診率向上を中心とした保健事業の推進により、医療費の適正化に取り組んでまいります。
 
 次に、後期高齢者医療特別会計ですが、医療費の支給につきましては、埼玉県後期高齢者医療広域連合が行いますので、町の事務として定められております保険料の徴収に関する費用を主に計上いたしました。引き続き事業の円滑な実施に向けて取り組んでまいります。
 
 次に、介護保険特別会計ですが、高齢化が進む中、認定者数が増加しています。今後も町民の皆様のご協力をいただきながら、介護保険制度の健全な運用に努めてまいります。
 
 次に、浄化槽設置管理事業特別会計ですが、平成15年度から事業を推進し、清流の保全に努めているところであります。平成28年度も町民の皆様のご理解をいただきながら70基の設置を目指してまいります。
 
 次に、関口茂八奨学事業特別会計ですが、引き続き基金を活用した奨学資金を貸与し、優秀な人材の育成に取り組んでまいります。
 
 最後に、水道事業会計ですが、平成19年度に策定しました基本計画に基づき、既存の石綿セメント管及び老朽施設等の更新を行い、安心・安全な飲料水の安定供給に、引き続き努めてまいります。
 
 以上、政策の一端を申し上げ、平成28年度の政策方針といたします。

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