ときがわ町の西端にある、標高876メートルの堂平(どうだいら)山。旧東京天文台堂平観測所跡地を利用して、現在はときがわ町の「星と緑の創造センター」として、アマチュアの天文観測スポット、キャンプやハイキングなどに利用されています。
町では、このセンターの魅力アップのために、2004年度の冬、350本のブルーベリーの苗木を定植しました。そして植えてから6年が経過した2010年、観光摘み取り園として試験オープンしました。今回は2025年の園の様子をレポートします。(取材日:2025年7月29日)
堂平山へは、県道大野東松山線を「大野特産物販売所」の150メートル先を右に折れます。ここから、狭い山道になりますが、左側通行を心がけて走れば問題ありません。時折対向車とすれ違いが困難な場所がありますが、そんな時には登り優先、下り車両が道を譲りましょう。ここは、埼玉国体以来サイクリスト達のチャレンジコースになっており、多くの自転車が往来します。
坂を登りきると「白石峠」と書かれた場所で、峠を制覇したサイクリスト達が休憩しているのが見えます。ここまで来ると、下界の気温とは違う、涼しい乾いた風が吹いています。
白石峠を右折すると、すぐに剣ヶ峰(けんがみね)駐車場。パラグライダーが離陸しようとしているのを横目に、堂平山を目指します。国立の観測所時代からある古い石の門柱を超えると、すぐ右手に駐車場がありますので、車はここに止めましょう。
着いたらまずは管理棟へ向かいます。駐車場から管理棟まで木柵沿いの歩道は木陰になっていてとても気持ちが良いです。
キャンプ場内にプレハブの管理棟がありますので、こちらで摘み取りの受付を済ませましょう。お一人様300円を受付時に支払ってカップを受け取ります。このカップにブルーベリーを入れて持ち帰ることができます。
園には7種類のブルーベリーがあり、そのうち6種類は「ハイブッシュ」と呼ばれる、リンゴの生育気候にあった優良品種だとか。堂平の高原性の涼しい気候にぴったりなんですね。
ブルーベリーの木はだいたい胸くらいの高さで、園内は日差しを遮るものがありません。標高が高いため涼しく感じるかもしれませんが、日差しは強いので帽子や日傘があるとより一層快適です。
普段、スーパーで目にするブルーベリーより大粒で、品種によっては50円玉くらいの大きさになるものがあるそうです。
入園者なら味見は自由なので、さっそくパクリ!
爽やかな酸味とほのかな甘みが口いっぱいに広がります。食べごろの果実の見分け方ですが、一見熟しているようでも、木からぶら下がっている「軸」の部分まで紫になっているものが完熟だそうです。果実は一粒ごとに熟れ方が違い、完熟していないと酸味が強いことがあります。品種によって大きさや甘さが異なり個性豊かです。
普通、味が良く大粒のハイブッシュ系のブルーベリーの収穫時期は、関東では梅雨時、つまり6月下旬から7月下旬までです。しかし、この園では7月下旬から8月下旬までブルーベリーが楽しめます。
お持ち帰りしたブルーベリーはそのまま食べてもよし、ジャムやスムージーにしてもいいですね。